プロフィール

私が34歳で助産師になったワケ(5)

シリーズ5回目となりました
「次回、楽しみにしてるよ~」
なんて、声もいただき・・・
ありがたいことです(*^.^*)

 

 

【おっぱい足りてるの?】

 

 

あかりはあまり寝ない子だったらしい
赤ちゃんはもっと寝るものだと思っていた

 

私が甘かった・・・

 

 

抱っこからおろすと起きるし
ちょっとした物音でもすぐ起きる

 

 

すぐにおっぱいを探すような仕草をして
「えー?さっきも飲んだばっかりやん」
とうんざりしてしまう

 

 

乳首の傷がじんじん痛む
例えて言うなら
擦り傷を指で思いっきり
擦られてる感じ

 

 

今になってわかることだが
体勢とくわえさせ方が
間違ってなければ
こんなに痛むことはなかったのだ

 

痛みを引き起こすのは
授乳回数や授乳時間と関係ない

 

 

そうとも知らず
痛いのは何回も吸われるせいだと思い

 

 

あかりが寝ずに、よく泣くのは
おっぱいが足りてないせいだと思った

 

 

退院の時はあんなにおっぱいがよく出てたのに
どうしてしまったんだろう?
もう、出なくなっちゃったのかな?

 

 

そして、ミルクを時々足した
ミルクを足すとしばらくは寝てくれた

 

 

それもそのはず
ミルクを消化・吸収するのに
エネルギーをいっぱい使うのだから

 

 

大人だって食べ過ぎた時は
横になりたくなる
それと一緒

 

 

今はわかる
わたしのおっぱいの量は
十分に足りていたと思う
「母乳不足」ではなく
「母乳不足感」で悩んでただけ

 

 

今、相談に来られる方も
ほとんどがこれ

 

 

だって、おむつも濡れてないのに
赤ちゃん、泣くもんね
お口に指を持っていくと
欲しそうにくわえようとするもんね

 

足りないのかなって思っても当然

 

 

でも、赤ちゃんが泣くのは
おむつやおっぱいだけじゃない

 

 

意外といろんなことで泣く

 

 

そんなことも知らず
私は、あかりが泣いては
おっぱいやミルクをあげ
少し寝ては安心し・・・

 

あかりがブクブク太っていってるのにも
気付くことなく
4ヶ月健診で「太らせ過ぎ!」と
お叱りを受けるハメになった

 

 

今、当時の写真を見ると
おすもうさんみたい!
よく、これで「足りてない」
なんて思ってたな~って笑ってしまう

 

 

母親というものは
赤ちゃんが生まれたら
母乳のことで頭がいっぱいになってしまう
そして、時々、周りがみえなくなってしまう

 

 

このとき、相談できる専門家がいたら・・・
いつでも相談できる安心感があったら・・・
「大丈夫、足りてるよ」と言ってくれたら・・・
「こんなコツがあるよ」と教えてくれたら・・・
とにかく不安な気持ちを聞いてくれたら・・・

 

 

私はこんなに悩まなくて済んだだろう

 

 

私の不安やイライラは
当然、赤ちゃんに伝わる

 

そして、よけいに赤ちゃんが
ピリピリして育てにくくなる
魔の悪循環に陥っていくのだ

 

 

実家が近かったから
もっともっと甘えても良かった
でも、その時、持病が悪化して
体重28kgまでに痩せてしまった母

 

とても心配だった
甘えるわけにはいけないと
強がってるところもあった

 

 

 

【雨と涙と】

 

とにかく、よく泣く
特に、夕方からの
忙しく、自分の疲れも出てくる時間帯

 

 

その日は雨
普段なら、泣き出したら
あかりを抱っこし、少し散歩をして
気分転換するのだけど

 

 

外の土砂降りをみると
それもできず・・・

必死で抱っこしてあやす

 

「しんどいなー」
毎日の寝不足で体が重い
「ご飯も作らなあかんのにな」
だんだんイライラしてくる

 

 

いったん、ベッドにあかりを置いて
知らんふりしてみる

 

 

泣き声は大きくなるだけ
気になって、また、抱っこする

 

 

あかりは抱っこしても反り返って
激しく泣く
おっぱいもくわえようとしない

 

 

「もぉぉぉーーーー!!!」

 

 

あかりをベランダにほうっておこうか?
ふっと、そんな気持ちがよぎった

 

 

ハッとした

 

 

なんてことを考えるんだ!
一瞬でもそんなことを考えた
自分を恐ろしく思った

 

 

あわてて抱っこ紐を体に付けて
あかりを抱っこし

 

 

雨の中へ飛び出した

 

 

「ねえ、あかり・・・
なんで泣くのか教えて・・・
ママ、わからないよ。」

 

 

あかりに話しかけても泣くばかり
私も一緒に泣きながら
ずっと、近所を歩き回った

 

 

私の、止めどなくあふれる涙を
雨が流してくれた

 

 

あかりが泣き止む頃には
あたりは暗くなっていた

 

 

帰宅してあかりにおっぱいをあげながら
今日、自分が思ってしまったことを
もう一度思い出していた

 

 

なんてちっぽけな人間なんだろう
また、自分を責めた

 

 

この時の私は
今の、助産師になった林美佐子が
いちばん助けたい人
いちばん寄り添いたい人
なのかもしれない

 

 

この時の私のところへいって
おもっきり話を聞いてあげたい

 

たくさん、褒めてあげたい

 

「そんなことだってあるよ」
って共感してあげたい

 

疲れた体をマッサージしたりして
癒してあげたい

 

 

みんな、通り過ぎれば
どうでもないことなのに
笑って話せることなのに

その時は、とにかく必死なんだよね・・・

 

 

【Midwife】

 

これからが育児の本番
この先も、本当にいろんなことがありました

 

年子で息子が生まれるし~(T▽T;)

余談ですが、息子のときは
忙し過ぎて何も考えず母乳をあげたら
すごくうまくいき、母乳のみで育ちました

 

息子はおっぱい星人で
3歳までおっぱい吸って
3歳のとき、自分で決めてやめました
本当に楽で幸せな母乳育児を体験させてもらいました

 

 

こうして
一つ一つを乗り越えながら

 

子どもが成長すると同時に
自分も少しずつ成長していくんだと思います

 

 

人生の中で、結婚、妊娠、出産、子育て
ってすごく大きなイベントだと思う

 

これらは
楽しく、幸せなことでもあるけど
大きな不安や悩みも同時にやってくる

 

 

だから、寄り添わせて欲しいな

 

 

ホームドクターみたいに
「私の助産師さんに相談してみよ」
と気軽にお話しをしにきて欲しい

 

 

彼氏のこと、夫婦関係のこと
セックスのこと、避妊のこと、性感染症のこと
不妊症のこと、体づくりのこと
結婚のこと、妊娠のこと、出産のこと
母乳のこと、育児のこと、
人間関係のこと、嫁姑問題
ダイエットのこと、美容のこと
夢のこと、自己実現のこと
嬉しいこと、困ったこと、不安なこと

 

 

なんでも・・・
ほんとうになんでも・・・
新しい親父ギャグ思いついた!とかでも(笑)

 

 

助産師は英語で「Midwife」といいます
意味は「女性と共に」です

 

 

わたしは

いつも、おかあさんのそばに・・・

 

 

私が34歳で助産師になった理由1〜5

終わり