プロフィール

私が34歳で助産師になったワケ(2)

【陣痛を誘発するために入院】



とうとう、予定日を大幅に越えて
陣痛を誘発することになった



予想外の展開に受け入れがたい
気持ちがあったけど



「次、家に帰ってくる時は
赤ちゃんと一緒だ♪」



とワクワクする気持ちもあった
早産気味で入院したんだから
きっと、すぐに産まれる
そんな気楽なことを考えていた

 

【誘発開始】


プロスタグランジンE2という
飲み薬での誘発が開始された

 


1時間に1錠ずつ飲んでいく
だんだん、お腹が張ってきた
痛かった


でも、お産になるような
強い陣痛にはならず
その日は終了となった



緊張であまり眠れず
不安な夜だった



次の日は、朝から
同じ薬を使い、陣痛促進
今度は子宮口にメトロという
水風船のようなものを入れた
(現在は2つの同時使用は禁止)



2つの相乗効果で
昨日よりずっとずっと
きつい陣痛がばんばん来た
3分おきに陣痛がきて
トイレでうずくまっていた



とにかく
狭いところが落ち着いた



その日は、助産師さんがいなかった
時々、看護師さんが
様子をみにきてくれた


夏みかんくらいの大きさの
風船も自然に抜け
夜の診察では子宮口7センチ
赤ちゃんも下がってきてる



「明日にはきっと産まれるよ」
先生に、そう言ってもらった

 


でも、もう体力がかなり
消耗してるのを感じていた
「本当に産むことが出来るのか」
だんだん追い込まれてきて
笑うことができなくなった




次の日は点滴による陣痛促進を行った
すぐに2分おきの陣痛が来た



分娩室にはいり
イキむように言われたが
クタクタでうまくできない

 


「どうしよう!もっと頑張らないと」
気持ちが焦ってしかたない

 


先生や助産師さんは
「おかしいな」
と、しきりに首をかしげる



痛みと不安でおかしくなりそうだった
でも、自分や赤ちゃんの力を
もっともっと信じたかった

 


そんな中、夫が先生に呼ばれた
帝王切開の説明だった

 


「これ以上頑張っても
赤ちゃんも、お母さんも
危険にさらすので
帝王切開しましょう」
という説明があった



夫からそのことを告げられ
私は泣いた。
「嫌だ!もうちょっと頑張らせて!!
あともうちょっとなんやろ?」



なんで、3日間も
こんなに頑張ってるのに
うまく行かないの・・・?
自分に、腹が立って仕方がなかった



夫は言った
「気持ちはわかるけど
もう、十分頑張ったやん
美佐子も、赤ちゃんも元気じゃないと
な、元気じゃないと・・・」



その言葉でハッとした
「そうだ、私も赤ちゃんも
元気じゃないとなんにもならない」
3人で新しい生活をスタートさせたい



そして、手術に同意した



同意した後も、何故か涙が止まらなかった
そんな私に助産師さんは
「お母さんは、本当によく頑張ってるよ」
と声をかけながら、手術の準備にかかった



その言葉が、少し救いとなった



あっという間に手術の準備が整った

私を乗せたストレッチャーは
手術室へ向かった

(3)へつづく