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症状からわかる乳腺炎の原因と種類。乳腺炎の予防についても考えよう

こんにちは!助産師のりんごです。

母乳をあげていると、誰しもがかかる可能性がある乳腺炎。症状がかなりしんどいので、乳腺炎になった経験があるママは「もう二度となりたくない!」って口を揃えていってます。おっぱいの調子が悪くなるって、授乳中にママにとって思った以上に辛いことなんですよね。その乳腺炎について今日は勉強しましょう。

りんごママ
りんごママ
乳腺炎って辛いって聞くし本当に恐怖〜
りんご
りんご
だからこそ相手(乳腺炎)を知ることからはじめましょう!

乳腺炎の種類

乳腺炎は原因によって大きくふたつにわかれます。おっぱいは同じように痛いのですが、少し違いがあります。

りんご
りんご
原因によって対処法も変わってくるので、まずここを知ることから始めましょう

(1)母乳が長時間停滞して起こる(うっ滞性乳腺炎)

なんらかの原因で乳腺に母乳がとどまってしまい、乳腺組織に炎症反応が起こる状態です。しこりが触れて、痛みがあります。軽いものなら見た目にはわからず、押さえると違和感があったり、少し痛いかな?くらいなのですが、なかなか母乳が外に出なくて重症になると、痛みも強く、赤く腫れて、熱が出ることもあります。おっぱいの流れが再開すると症状は軽くなって、1週間前後でほとんど元の状態に戻ります。ばい菌感染がない状態ですから、抗菌薬などは不要です。

※発熱から48時間たっても解熱しない場合は今から説明する感染性の可能性もあります。

(2)おっぱいにばい菌が入って感染を起こしている(感染性乳腺炎)

お子さんのお口やお鼻の菌、ママの皮膚に住み着いている常在菌などが原因になって感染します。菌が入るルートは(1)乳管から(2)血流にのって(3)乳首にできた傷からなどが考えられていますよ。お子さんが風邪をひいているとき、お子さんに乳首を噛まれたとき、離乳食が始まったとき、ママの免疫力が落ちてる時などは要注意です(汗)

しこりは触れる場合とあまり触れない場合もあります。赤くなって熱を持っていて、触るとかなり痛いです。全身症状として発熱、悪寒、頭痛、関節痛、吐き気などがあります。インフルエンザより辛かった〜というママさんの意見も多いです。抗菌薬が必要になることがあるので、そんなときは医師の診察を受けなければなりません。

乳腺炎の原因あれこれ

乳腺炎の原因を探っていきましょう。

ママの母乳が滞ってしまう原因

◉授乳方法が適切じゃないとき

授乳姿勢や授乳方法が適切ではないとき、うまく飲み取れなかったり、乳管が圧迫されたり、ねじれたりして一部分だけ母乳が残ってしまったりします。お出かけ先の授乳で、いつもと違う環境で授乳した後に起こることが多いです。繰り返す方は一度おっぱいの専門家に正しい授乳姿勢や授乳方法を教えてもらうようにしましょう!

◉授乳回数が少ないとき
授乳回数が少ないときは、それだけ授乳時間も間隔が長くなるので、母乳が滞りやすくなります。では、時間を決めて赤ちゃんが寝てても起こして飲ませるのかといえばそうではありません。

◉右5分、左5分など、時間を決めて授乳をしている
時間で切って左右の授乳をしていると、しっかりと母乳を出し切るということができず、おっぱいの滞りが起きでしまいます。時間はあまり気にせず、おっぱいの調子をみながら授乳をしましょう!

◉お子さんの吸う力が弱いとき
早産児や合併症のあるお子さんで、まだ上手におっぱいを飲むことが難しい場合に、ママの母乳が滞りやすくなっちゃいます。搾乳を必要とする場合もあります。おっぱいの状況やお子さんの状況を同時にみながらケアの方針やミルク補足の必要性をみていくのでおっぱいの専門家についてもらいながら授乳を進めていかれると安心でしょう。

◉お子さんが病気のとき
お子さんが病気になって食欲が落ちた時や、鼻詰まりでおっぱいを吸いにくい時などです。お子さんが調子が悪くてどうしても飲めないときは搾乳をしましょう。鼻詰まりのときは鼻を吸ってあげると鼻呼吸ができるようになり飲みやすくなりますよ。

◉急に授乳をやめたとき
ママが病気でどうしても授乳不可の薬を飲まなくてはならないとき、お子さんが突然卒乳したとき、準備の十分でない断乳をしたときなどがあげられます。

◉おっぱいへの圧迫
きついブラジャーとか、シートベルト、抱っこひもなど、睡眠中の姿勢など、不適切な圧迫によって起こります。

◉白斑で乳管の出口が狭くなっている
白斑ができて母乳の出口が狭くなっていて、母乳が渋滞してしまっている時。

◉乳管の詰まり
母乳の成分が乳管の中で詮のように詰まってしまい、母乳が通らない状態です。この詮は、授乳時間の空きや、不適切な授乳姿勢やくわえさせかたで出来やすいですよ。

◉乳汁分泌過多
お子さんが飲む母乳の量に対して、ママも分泌量が多い時、溜まり気味になります。不要な搾乳などはしていませんか?

ばい菌に感染しやすい状況をつくってしまう原因

◉おっぱいに傷がある
噛まれたり、浅吸いによる傷、ママの乳首の皮膚がかぶれたり乾燥したりしている時、そこからばい菌が侵入してくるかもしれません。

◉ママのストレスや疲れ
ストレスや疲れによって抵抗力が落ちている場合、いつもは平気なバイ菌にでも負けちゃって感染するかもしれません。抵抗力をつけるには、休養、栄養、保温、睡眠なんだけど、とりたくてもなかなかとれないから余計にストレスなんだもんね!わかるーーー!!!

◉ママの栄養不良
忙しくってなかなか食事が取れない。栄養のバランスが崩れている。また、ほとんど母乳オンリーで育てているママはそれだけ出ていく栄養も多いので栄養不足になりやすいです。その分、しっかり栄養をとらなきゃね!

原因をざっとあげましたが、たくさんありますよね。ここで私が声を大にして言いたいのは、冒頭にもお伝えしたように「授乳中なら誰にでもかかる可能性があるもの」なんです。もちろん、原因を見ていただければわかるように予防できることもたくさんありますよね。だから、出来るだけ予防はしていただきたいですけど、でも、どうしようもない時だってある!それを、どうか責めないでほしいです。逆に、じぶんを労ってあげて〜(泣)

あと、「○○食べたから」とか、そんなんは都市伝説ですよ。生クリーム食べたからとか、チーズ食べたからとか、揚げ物食べたとか、肉を食べたからとか、チョコレートを食べたからとか、巷にはたくさん噂が流れていますが、何か、特定の食べ物を食べて詰まったり乳腺炎になるっていう医学的根拠はないから、それは覚えておいてください。

よーくお話を聞いていると、ケーキを食べて詰まったっていう人は、来客のため授乳が空いてしまっていたとかね。それはケーキが原因ではなく授乳時間が空いたことがリスクになっちゃったんよね。

ただ、医療従事者からそういう指導を受けたという人が多いのも事実で悲しいことです。中には、乳腺炎で辛い時に「○○なんか食べるからこんなことになった!」って、怒られて余計に辛くなっちゃったっていうママの話も聞いていますが、胸がキュンとしちゃいます。

もちろん暴飲暴食や栄養の偏りは免疫力を低下させたり、体に炎症を起こしやすくすしたり、本来持っている体の機能がうまく働きにくくなっちゃう可能性があるから、バランスよく必要な栄養素をとることは大事なんだけど、揚げ物食べたら数時間後に詰まるとかそんなことはありえない話です。

まとめ

(1)乳腺炎は原因によって大きくふたつに分類される
◉母乳が滞ることで起こるうっ滞性乳腺炎
◉ばい菌感染による感染性乳腺炎

(2)授乳中のママなら誰でも乳腺炎になる可能性はある。原因は様々。知って予防できるものもあるが、ママやお子さんの体調によってどうしようもない場合もある。休養、栄養、保温、睡眠は大切。

(3)「○○食べたから詰まる」 「○○食べたから乳腺炎になる」には医学的根拠はない。

次回は乳腺炎の対処法についてお話ししますね!

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参考

『母乳育児支援業務基準乳腺炎』日本助産師会
『母乳育児支援スタンダード』日本楽テーションコンサルタント協会
「母乳育児支援ガイド』日本楽テーションコンサルタント協会
『おっぱいでらくらくスクスク育児』北野寿美代 著

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