りんごの思想

おしっこに感動し、うんちに泣く。どんな生き方をみせる? 松下幸之助さんの「感謝」の考え方に共鳴できたこと

こんにちは!助産師のりんごです。
うちの紫陽花がルンルンと咲いています。

患者さんから学んだこと

先日のブログで「感謝と不安は同時に感じることができない。だから不安を感じるときは、自分がどれだけ恵まれていて、どれだけ幸せなのか思い出すようにしている」と書きました。

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私は、透析室や心臓血管外科病棟で勤めた経験があります。産科では「生」ですが、病棟では「病」や「死」と関わります。そこには健康な自分なら当たり前にできることが、難しくなってしまった方々がいます。

例えばおしっこ。私は水分をとったら腎臓という臓器を使っておしっこを作り、排泄することができます。体に不要な老廃物も一緒にでます。その他、いろんなバランスを整えて、体調を維持しています。それは神業としか思えないほど。

でも、それがしたくてもできない人がいます。透析室にはそんな方々が来られます。週に2〜3回の透析。機械に血液をとおして腎臓の代わりに水分や老廃物を排出します。毎回信じられないくらいの太い針を2本刺し、数時間ベッド上に縛られます。でも透析でできることには限界があるため、普段の生活では厳しい水分摂取制限や食事制限があります。暑い時に水をごくごく飲むこともできません。

そんな方々と毎日を過ごしていた時期があったことは私の財産です。

ある日のこと、何かに落ち込んで、たまたまトイレに行って、おしっこをしたとき、嬉しくて泣いたことがあります。あぁ、そうや!こうやっておしっこが出るってなんて幸せなことなんやろう!!!当たり前だけどすごいことなんだ!喉を鳴らしながら水が飲めるし、きつい食事制限もない。太い針を刺さなくてもいい。月に何十時間も透析をしなくていい。

目が見えない方がいます→今、目が見えてることがすごい財産なんだ。強い痛みで一晩中眠れない方がいます→痛みがないことはありがたいことなんだ。毎食の血糖測定とインスリン注射している方がいます→食べたら勝手に分泌して血糖コントロールしてくれる。人工肛門の方がいます→ふつうにウンチがでるってすごいことやん(泣)

もうね、あげたらいくらでも出てきます。
ということは、普通に過ごせている今ってすごいやん!その気になればなんでもできるやん!って思わされるんです。

出来ない理由探し

もう若くないから、お金がないから、時間がないから、環境が…人間関係が…容姿が…学歴が…偏差値が…上司が…親が…子どもが…
そんな言い訳をするのが恥ずかしくなってしまいます。だって、手足を縛られて拘束されてるわけでもないし。扉が全開の鳥籠の中で悩んでいるようなもの。そこから飛び立つのは自由やのに!

そうは言っても、私は怖がりで未熟な人間ですから、今でも「出来ない理由探し」をする時があります。そういう時は自分が当たり前に今持っているものの素晴らしさをもう一度振り返ります。そしたら「出来るか」「出来ないか」ではなく、「やるか」「やらないか」なんだ。本当にそう思えてきます。

ただ、ここが大事なのですが「やればできる!」は、やりたくないことを我慢してやるためではなく、自分の気持ちに素直に生きるために選ぶ言葉だと思います。


↑人前で話すことが地味に苦手です。

テクニックより大事なこと

特に最近、教育方針についての相談をたくさん受けます。「どうやったら勉強するようになりますか?」「どう言ったら言うことを聞いてくれるようになりますか?」「どうしたらもっと意欲的になりますか?」

私は、子育てに万能なテクニックって無いような気がします。それを考える時間があれば、自分がさっさと自分の素晴らしさに気づいて、命いっぱい生きることに夢中になればいいのではないかと思ったりします。自分がどんな風に生きていれば子どもに「なんでも思ったようにやってみるといいよ!たとえ失敗しても大丈夫!」「よく遊び、よく学べ」って言ってあげられるのでしょう?

いっぱい勇気を出して、いっぱい不安になって、いっぱい悔しい思いをして、いっぱい恥をかいて、いっぱい泣いて、いっぱい転んで、いっぱい努力して、いっぱい助けてもらって、いっぱい感動して、いっぱい自分の素晴らしさに気づいて、いっぱい人の優しさに気づいて、いっぱい心から笑って。

まずは、そこから。

おしっこに感動し、うんちに泣こう
そして、自分は自由なんだと気付こう

子どもに教育するのではなく
「生きる」っていうことはどういうことか、お手本を示そう

私は、そう思っています

最後に松下幸之助さんの名言を

「苦労を語る前に、私はまず自分自身の幸運に感謝したい。」
(松下幸之助:パナソニック創業者)