りんごの思想

「ある」と思ってるものは「ない」し、「ない」と思ってるものは「ある」

会いに来てくださる3つの理由

りんご助産院に来てくださるお母さんには色んな理由がありますが、大きく3つに分けることが出来ます。

ひとつめは母乳のことや育児で困っているお母さん。ふたつめはブログやFacebookをみて面白そうだから会ってみたいと思われたお母さん。そしてみっつめは、私が子育てしながら助産師になった経緯を知って「なにか」を話したい、聞いてみたいと思われたお母さん。

最近はこのみっつめの理由でお会いする機会がちょっぴり増えてます。私に話してくださるということは、意識してか無意識か、私を通して自分の想いの確認をしたり、背中を押してほしいって思ってるんじゃないかなぁ〜と感じます。じつはそんな私にも背中を押してくれた人がいるのでお話したいと思います。

私が助産師になれない理由たち

下の子が生まれてしばらく経った頃、私の胸の中にひとつの想いがありました。「助産師になりたい」でも、当時の私には夢のまた夢の話のような気がしました。普通に分析すると、⑴幼い子どもがふたりいる⑵お勉強が苦手⑶お金がない⑷体が弱い⑸根性がない⑹夫の協力もそんなに見込めない⑺親と同居とかしてない…出来ない理由をあげていくといくらでも出てきます。しかも、助産師になろうと思ったら、まず看護師の免許をとらなくてはならない。ストレートにいっても看護師になるのに3年、そして追加で助産師1年。最短4年。ながーーーーー!!!。

子育てに追われていると毎日があっという間に過ぎていきます。夫が深夜に仕事から帰ったとき、おっぱいを放りだし、子どもたちと一緒に白目むいて寝ている私を目撃しては、心の中で「今日もお疲れさん」と言ってくれてたそうです(笑)確かにいつもバタバタしてたけど、充実もしていました。でも、ずっと「あの想い」はありました。

年子でこどもがやってくるのは想定外でした(笑)

落ち着くときっていつなん?

「しおちゃん(私の昔のニックネーム)、看護学校行かへんの?」ある日、昔からお世話になってるメンター的存在のY先生に話しかけられました。ドキッ!「うーん、行きたいねんけど、まだ子どもたちも小さいし、勉強できる時間もないし、お金もないし、もうちょっと落ち着いてから考えようかなぁ〜」私はさっきの出来ない理由をひと通り並べてみました。するとY先生「ふーん。じゃあ、しおちゃんの落ち着くときっていつなん?」私「えーっと、それは…子どもが小学生になるとか…」Y先生「あのさぁ、子育てに落ち着くときなんかないで。待っててもそんなときは一生来ないよ。小学校に行ったら…っていうけど、保育所に預けてる今よりも、もっと大変になるから。それに、しおちゃんのお母さん病気あるのに、そのうち介護せなあかんようになるかもしれないでしょ?じゃあ、しおちゃんのしたいこといつするの?」うぅぅ。現在の私なら「今でしょ‼︎」って答えるけど、そのときの私は、でも、だって。でも、だって。モジモジ…。

今も私の中でものすごく大事にしているY先生の話

「あのな、しおちゃんは今雪山にいて、スキーが出来るようになりたいとしよう。山のてっぺんからゲレンデを見下ろして、右に曲がるときは右にチカラを入れたらいいのかなぁ、止まるときはどうしたらいいのかなぁ、なんて、頭で考えてるだけで滑れるようになると思う?」「い、いや…」「滑り出さな、考えてるだけじゃいつまでたっても滑れるようにはならへんやろ?実際やってみて、あ、こうしたらいいやんとか、これはうまくいかへんわ〜とかわかるんちゃうん?たくさん転ぶかもしれんけど、それでも滑るから目標達成できるねん。もしも、やってみてどうしてもあかんかったら、いつでもやめたらええやん。それで、うまく行かへん方法がわかるわけやろ?それがわかるだけでも価値があるやん。じゃあ、今度は違う方法でやればいい。他にもっとしたいことが出来たらそれをやるのもアリ。やらんと頭の中であれやこれや考えとってもなんにも始まらへん。」優しい表情ですごいことを言い放ったY先生は、いつどこで集めたのか、たくさんの看護学校のパンフレットを「はいどうぞ」とそのとき私に渡してくれました。なかには過去問入りの有料のパンフレットもありました。その言葉も気持ちも、私以上に私を信じてくれていることも有難かった。

「ほーんーまーやーー!」単純で素直だけが取り柄の私は、スイッチがオンになり、その数ヶ月後には看護学校に入学していました♡娘が3歳、息子が2歳になったばかりのときのこと。そして、勢いに乗って助産師になった。何年か産科でお勤めして、りんご助産院を開業。助産師になったらこんなことするんだーって思い描いた未来を今、生きてます。ホントに毎日楽しいです。


↑助産院で体重測定。赤ちゃんの体重が「777」で、お母さんとフィーバー♡


↑お茶会も始めて3年目になります♡

ないものをあると思い、あるものをないと思っていただけなのかも

実際やってみると出来ない理由なんて、なかったー!ないものをあると思い、あるものをないと思って、勝手に悩んだり足踏みしたりしていました。その時だけ奇跡的に脳が冴えてたし、有難いことに必要なときに協力者が現れたし、お金もびっくりな方法でなんとかなったし、一番ないと思っていた時間も作ればあったし、けっきょく息子が自分で卒乳を決める3歳まで、おっぱいもあげてたし♪
そりゃーしんどい時もあり、上手くいかなくて泣くこともたくさんあったけど、振り返るとそれもまた尊い経験。なんとかなった。いるのは「想い」と「覚悟」だけ。あとは行動あるのみ〜。あのとき、背中を押してくれたY先生には本当に感謝してます。あと、家族のみんな。友達。

でも、やっぱりこーわーいー!

そして今、さらに思い描く未来があり、再びY先生に背中を押されてる私なのでした〜!!ふぅぅぅぅ、さっき偉そうに、いるのは「想い」と「覚悟」だけ!なんて言っておきながら、それでもやっぱり怖いよーーーーー笑!アレ?さんざん語ったあとに、こんなオチでゴメンなさい(T_T)さぁ、さぁ、3年後の私は今の私のことをどんなふうに話しているかな???そしてY先生、こんな私をいつも見守っていてくださりありがとうございます!

りんご助産院に大きなりんごがやってきました!